イラスト作成でグラフィックボードが必要な場面を解説
ここが知りたい!
イラスト作成にグラフィックボードは必要?
グラフィックボードが必要な環境とは?
ここでは イラスト作成用にパソコンを検討している方に向けて 「グラフィックボードの必要性」と 「どのようなときにグラフィックボードが必要になるか」 について解説していきます。
「液タブにグラフィックボードは必要?」 「どのようなスペックが必要?」 このような、イラスト作成の初心者が気になることを取り上げて できるだけわかりやすく丁寧に解説します。
あなたのパソコン選びのお手伝いができればうれしいです。
この記事を書いた人
さくら
- 趣味で絵を描くサラリーマン
- 3D系のエンジニア
- パソコン提案の仕事もしている
- すぐジブリネタ言っちゃう派
目次
グラフィックボードが必要な場面
まず初めに知っておいてもらいたいのは、 パソコンを使ったイラスト作成において、 グラフィックボードは必須ではありません。
NVIDIAのGeForceや、 AMDのRadeonといった専用グラフィックボードは、 「あればより快適になる」という位置づけです。
いまのパソコンに搭載されているCPU内蔵グラフィックスは性能が優秀なので、 イラストを描く程度であればストレスなく快適に動きます。
しかし、つぎのような場合には 専用グラフィックボードがあったほうが、 快適にイラストを描くことができます。
グラフィックボードが推奨される場面
- 高解像度の液タブを使うとき
- 高解像度のモニターを使うとき
- Photoshop、Illustratorを使うとき
WQHDや4Kといった高解像度の液タブや 外部モニターを使うときには、 グラフィックボードを搭載したパソコンを使うことがおすすめです。
また、 Photoshop、illustratorはグラフィックボードのGPUを使った高速処理ができるため、 グラフィックボード搭載のパソコンが有効です。
各項目について、 もう少し詳しく説明します。
高解像度の液タブを使うとき
まずは 「高解像度の液晶ペンタブレットを使うとき」についてです。
液晶ペンタブレット、通称「液タブ」ですが、 最近ではWQHDや4Kといった高解像度のものが出てきました。
これらWQHD、4Kなどの高解像度の液タブを使うならば、 グラフィックボードがかなり有効になってきます。
その理由は 「グラフィックボードで画面表示速度を上げることができるから」 です。
表示速度が上がれば、 電子ペンを動かして線が表示されるまでの時間が短くなり、 遅延を減らすことができます。
例えば、グラフィックスのスペックが低いと、 液タブで線を描いて画面に線が表示されるまでに時間がかかります。 時間がかかるといっても、1秒以下の零コンマ数秒の速度です。
しかし、人間の感覚は鋭いもので、そのわずかな遅延に敏感なのです。 イラストを描いていると 「なんかちょっと違和感がある…」と感じることがあります。
フルHD解像度ならばCPU内蔵グラフィックスでも遅延は感じにくいでしょう。 しかし、WQHDや4Kのような高解像度になると、 高性能なグラフィックス性能がないと 速く画面表示できないのです。
このような理由で 高解像度の液タブを使うときにはグラフィックボードが有効なのです。
高解像度のモニターを使うとき
続いて、高解像度の外部モニターについてです。 こちらも「高解像度の液タブを使うときと同じ理由で、 グラフィックボードが推奨されます。
高性能なグラフィックボードを使うことで 「手を動かして線が表示されるまでの違和感」 を無くしてくれます。
これは液タブに限らず、 「画面表示する機器すべて」において グラフィックボードが有効になります。
イラスト作成を始めたばかりのころは、 この表示に関する違和感は感じにくい方もいるでしょう。
じつは、私自身も初めの2週間くらいは 特に違和感を感じることはありませんでした。
しかし、 ペンタブやイラスト作成ソフトの操作に慣れてくればくるほど、 その違和感を感じやすくなります。 イラストを描くのに慣れてくると、 操作自体が速くなるため、 「画面表示が遅い」と感じやすくなります。
もし、大きな画面で解像度の高いモニターを使って 快適にストレスなくイラストを描きたいと思っているならば、 できるだけNVIDIA、AMDのグラフィックボード搭載のパソコンをおすすめします。
Photoshop、Illustratorを使うとき
3つ目は、 「Photoshop、Illustratorを使う場合」です。
なぜPhotoshop、Illustratorを使うときにグラフィックボードが有効なのか? その理由は 「PhotoshopとIllustratorは、 グラフィックボードのGPUを使った高速処理機能があるから」 です。
例えば、Photoshopでは、 「画像選択」や「マスクがけ」がGPUを使って高速処理ができます。 イラストの色塗りで選択やマスクはよく使うので、 グラフィックボードがあると作業効率が多少上がります。
フィルター処理も高速になるので、 実写合成のイラストなど、 実写を使った作品を作成するときには有効です。
Illustratorでは、 画像のズーム、スクロール、パンといったイラストの再表示が高速になります。 特に大きくて複雑なイラストを作成する場合に活躍してくれます。
ただし、私の個人的な意見になりますが、 「グラフィックボードが必須」というわけではありません。 例えば、初心者はそこまで大きなイラストを描く機会も少ないですし、 実写を使うことも少ないので、 作業効率が劇的にあがるわけでもありません。
もし、「将来的にバリバリPhotoshopを使う」とか、 「解像度の高いモニターを使う」という場合のみ グラフィックボードを検討するのがおすすめです。
グラフィックボードのスペック
高解像度の液タブ、外付けモニターを使う場合や、 Photoshop、illustratorを使う場合に 最適なグラフィックボードの種類は、つぎのとおりです。
- NVDIA製 GeForce RTXシリーズ
- AMD製 Radeon RXシリーズ
具体的な製品としては、 GeForce RTX4000シリーズ、RTX5000シリーズのGPUメモリ4GB以上が適当です。 具体的な型番としては、GeForce RTX4060、RTX4070、RTX5060、RTX5070などがあります。
AMD製のRadeonでは、Radeon RX9000シリーズが適当です。 Radeon RX9060などがあります。
デスクトップパソコンを選ぶ場合は、 液晶モニターほHDMI接続をグラフィックボードのポートに直接接続することで 高速に表示をしてくれます。液タブも同様です。
ノートパソコンの場合は、 HDMIポートもしくはUSB Type-Cポートに接続すれば大丈夫です。
MacBookのGPUスペック
最新のMacBookの場合は、 Apple Mシリーズのグラフィックスが搭載されています。
MacBookAirでもMacBookProでも、 MシリーズのGPUが搭載されていれば快適にイラスト作成をすることができます。
MacBookのグレードによってGPUのコア数が異なりますが、 イラスト作成において 最新のMシリーズであれば特段な差を感じることは少ないでしょう。
MacBookAir、MacBookPro、iMacとどの製品を選んでも、 イラスト作成において快適に動作してくれます。 Photoshop、illustrator、CLIP Studioと、 どのソフトを使っても快適に動きます。
まとめ
「イラストPCのグラフィックボードの選び方・液タブならコレ」 についてのまとめです。
グラフィックボードが必要なときは、 次の3つのパターンです。
「WQHD、4Kのような高解像度の液タブを使うとき」 「WQHD、4K、8Kのような高解像度デスクトップモニターを使うとき」 「Photoshop、Illustratorを使うとき」
高解像度の液タブや液晶モニターを使う場合は、 画面のリフレッシュレートを上げるためにグラフィックボードを推奨。
絵を描く操作に慣れてくると、 手の動きも速くなるので、表示速度が不足すると 描いているときに違和感を感じやすい。
Photoshop、IllustratorはGPUを使った高速処理機能が搭載されているので、 グラフィックボードが付いていると作業効率が多少上がる。
おすすめスペックはGeForceシリーズ、Radeonシリーズのエントリーモデル以上。
MacBookはMシリーズのグラフィックス性能が良いため、 スペックを特に気にする必要はない。
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